労働基準法

第32条(労働時間)

  1. 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
  2. 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

罰則

6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金(第119条)

労働基準法施行規則

 第23条

使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第10号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第32条の規定にかかわらず、使用することができる。

第25条の2

  1. 使用者は、法別表第1第8号、第10号(映画の製作の事業を除く。)、第13号及び第14号に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、法第32条の規定にかかわらず、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる。
  2. 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使委員会における委員の5分の4以上の多数による決議及び労働時間等設定改善法第7条第1項の労働時間等設定改善委員会における委員の5分の4以上の多数による決議を含む。以下この条において同じ。)により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない定めをした場合においては、前項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において44時間又は特定された日において8時間を超えて、労働させることができる。
  3. 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない範囲内において、第1項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、1週間において44時間又は1日において8時間を超えて、労働させることができる。
    1. この項の規定による労働時間により労働させることとされる労働者の範囲
    2. 清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
    3. 清算期間における総労働時間
    4. 標準となる1日の労働時間
    5. 労働者が労働しなければならない時間帯を定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
    6. 労働者がその選択により労働することができる時間帯に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
  4. 第1項に規定する事業については、法第32条の4又は第32条の5の規定により労働者に労働させる場合には、前3項の規定は適用しない。

関連通達

手待ち時間の労働時間性

  1. 一部の定期路線トラック業者においては、運転手に対して路線運転業務のほか、貨物の積込、積卸を行わせることとし、小口の貨物が逐次持ち込まれるのを待機する意味でトラック出発時刻の数時間前に出勤を命じている。この場合、現実に貨物の積込を行う以外の時間は全く労働の提供はなく、いわゆる手待ち時間が大半を占めているが、出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている以上労働時間と解すべきである。
  2. 一部の定期路線においては、運転手甲のほかに交代運転手乙を乗り込ませ、往路は甲が全部運転し、復路は乙が全部運転することとし、運転しない者は助手席において休息し、又は仮眠をするという形態のものがある。これらの者の勤務時間は、当該トラックに乗り込む点において使用者の拘束を受け、また万一事故発生の際には交代運転、あるいは故障修理等を行うものであり、その意味において一種の手待ち時間あるいは助手的な勤務として労働時間と解するのが妥当である。

【S33.10.11基収6286号】

昼休み中の来客当番の労働時間性

休憩時間に来客当番として待機させていれば、それは労働時間である。なお、この場合は休憩時間を他に与えなければならないこととなるが、その際は法第34条第2項ただし書きによる労使協定を締結しなければならない。

【S23.4.7基収1196号、S63.3.14基発150号、H11.3.31基発168号】