労働基準法

第76条(休業補償)

  1. 労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない。
  2. 使用者は、前項の規定により休業補償を行つている労働者と同一の事業場における同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各区分による期間(以下四半期という。)ごとの1箇月1人当り平均額(常時100人未満の労働者を使用する事業場については、厚生労働省において作成する毎月勤労統計における当該事業場の属する産業に係る毎月きまつて支給する給与の四半期の労働者1人当りの1箇月平均額。以下平均給与額という。)が、当該労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた日の属する四半期における平均給与額の100分の120をこえ、又は100分の80を下るに至つた場合においては、使用者は、その上昇し又は低下した比率に応じて、その上昇し又は低下するに至つた四半期の次の次の四半期において、前項の規定により当該労働者に対して行つている休業補償の額を改訂し、その改訂をした四半期に属する最初の月から改訂された額により休業補償を行わなければならない。改訂後の休業補償の額の改訂についてもこれに準ずる。
  3. 前項の規定により難い場合における改訂の方法その他同項の規定による改訂について必要な事項は、厚生労働省令で定める。

罰則

6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金(第119条)

労働基準法施行規則

第37条の2

使用者は、労働者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、休業補償を行わなくてもよい。

  1. 懲役、禁錮若しくは拘留の刑の執行のため若しくは死刑の言渡しを受けて刑事施設(少年法(昭和23年法律第168号)第56条第3項の規定により少年院において刑を執行する場合における当該少年院を含む。)に拘置されている場合若しくは留置施設に留置されて懲役、禁錮若しくは拘留の刑の執行を受けている場合、労役場留置の言渡しを受けて労役場に留置されている場合又は監置の裁判の執行のため監置場に留置されている場合
  2. 少年法第24条の規定による保護処分として少年院若しくは児童自立支援施設に送致され、収容されている場合又は売春防止法(昭和31年法律第118号)第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合

第38条

労働者が業務上負傷し又は疾病にかかつたため、所定労働時間の一部分のみ労働した場合においては、使用者は、平均賃金と当該労働に対して支払われる賃金との差額の100分の60の額を休業補償として支払わなければならない。

第38条の2

法第76条第2項の常時100人未満の労働者を使用する事業場は、毎年4月1日から翌年3月31日までの間においては、当該4月1日前1年間に使用した延労働者数を当該1年間の所定労働日数で除した労働者数が100人未満である事業場とする。

第38条の3

法第76条第2項の規定による同一の事業場における同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金は、第25条第1項に規定する方法に準じて算定した金額とする。

第38条の4

常時100人以上の労働者を使用する事業場において業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者と同一職種の同一条件の労働者がいない場合における当該労働者の休業補償の額の改訂は、当該事業場の全労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の四半期ごとの平均給与額が上昇し又は低下した場合に行うものとする。

第38条の5

法第76条第2項後段の規定による改訂後の休業補償の額の改訂は、改訂の基礎となつた四半期の平均給与額を基礎として行うものとする。

第38条の6

法第76条第2項及び第3項の規定により、四半期ごとに平均給与額の上昇し又は低下した比率を算出する場合において、その率に100分の1に満たない端数があるときは、その端数は切り捨てるものとする。

第38条の7

常時100人未満の労働者を使用する事業場における休業補償については、厚生労働省において作成する毎月勤労統計(以下「毎月勤労統計」という。)における各産業の毎月きまつて支給する給与の四半期ごとの平均給与額のその四半期の前における四半期ごとの平均給与額に対する比率に基づき、当該休業補償の額の算定にあたり平均賃金の100分の60(当該事業場が当該休業補償について常時100人以上の労働者を使用するものとしてその額の改訂をしたことがあるものである場合にあつては、当該改訂に係る休業補償の額)に乗ずべき率を告示するものとする。

第38条の8

  1. 常時100人未満の労働者を使用する事業場の属する産業が毎月勤労統計に掲げる産業分類にない場合における休業補償の額の算定については、平均賃金の100分の60(当該事業場が、当該休業補償について、常時100人以上の労働者を使用するものとしてその額の改訂をしたことがあるものである場合又は毎月勤労統計によりその額の改訂をしたことがあるものである場合にあつては、当該改訂に係る休業補償の額)に告示で定める率を乗ずるものとする。
  2. 日日雇い入れられる者の休業補償の額の算定については、平均賃金の百分の六十に告示で定める率を乗ずるものとする。

第38条の9

前2条の告示は、四半期ごとに行うものとする。

第38条の10

休業補償の額の改訂について、第38条の4、第38条の5、第38条の7及び第38条の8の規定により難い場合は、厚生労働大臣の定めるところによるものとする。

第39条

療養補償及び休業補償は、毎月1回以上、これを行わなければならない。